第39回彼との世界が全てだった 初体験の嫌な記憶「したくない」伝えていい

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山田佳奈
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 関西に住む大学4年生の女性(22)は、高校生のときの初体験が「いやな記憶」になってしまった。

 陸上競技の推薦で私立高校に進学した。

 部活に熱心に取り組む日々。だが、1カ月もたたないうちにひざをけがした。手術したあと歩けるようになるまで半年のリハビリが必要になる大けがだった。

 手術するかどうか。高校に戻れるのか。悩む女性に、父は無関心だった。《この人、私のことを娘と思っているのかな》

 物心ついたころから両親は不仲で、食事中に口論が始まり、母が投げた皿が割れ、破片が目の前で飛び散ったこともあった。

 小学2年生から3年間は「第1次別居」。その後も繰り返された。

 《家族ってなんやろう。親ってなんやろう》

 わびしかった。

 手術を決め、入院していた病室に何度もお見舞いに来てくれた同じ陸上部の男子生徒がいた。

 優しかった。どんな話をしても怒らずに聞いてくれる。自然に付き合うことになった。

 部活の顧問には「部内交際禁止」「交際がわかったら退部」と言われていた。

 彼と一緒に登下校はせず、会うのはお互いの家の部屋だけ。誰にも気づかれないように必死だった。

 推薦で進学した以上、退部したら退学するしかない。

 《部活が人生のすべて。学校にいられなくなったらどうしよう》

 そんな思いにとらわれていた。

子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」第6部は、子どもたちの間で起こる性暴力について取り上げます。

 付き合い出して2カ月ほどたったころ。

 「したい」と言われた…

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