第1回「ドクター・ナカムラになる」 タリバンに奪われた、亡き父との約束

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ニューデリー=奈良部健
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 アフガニスタン東部ジャララバードで中村哲医師(当時73)が殺害されてから2年あまりがたった。

 事件では中村さんに同行していた運転手のザイヌラさん(当時34)や警察官のマンドザイさん(当時36)ら、アフガニスタン人5人も犠牲になった。

 残された妻子は計25人。その中には「ドクター・ナカムラ」にあこがれ、医師を目指している少女たちもいる。

 「父はいつも『ドクター・ナカムラほど優しい人はいない』と話していました。ドクター・ナカムラのことを話す時は、とてもうれしそうでした。心から尊敬し、愛していたのです」

 2月3日、ザイヌラさんの長女ムスカさん(14)が朝日新聞助手の電話取材に答えた。ムスカさんによると、ザイヌラさんは生前、よく中村さんの体調を気遣っていた。「夜遅くまで働いた後、ドクター・ナカムラは帰りの車中でぐっすり眠ってしまうそうです。父はそれを起こさないように、とても慎重に運転しているんだと話していました」

夕食時、父が毎日伝えたこと

 ザイヌラさんは帰宅後、6人の子供たちと食卓を囲み、その日中村さんが何をしたかを伝えるのが日課だった。そして最後には、決まってこうお願いした。「一生懸命勉強して、ドクター・ナカムラのような立派な人になるんだよ」

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