郵政社長「十分かどうかは見解の違い」、顧客情報流用の調査打ち切り

藤田知也
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 多くの郵便局長が顧客情報を政治流用していた問題で、日本郵政増田寛也社長は10日の記者会見で、調査を打ち切る日本郵便の方針を追認する考えを示した。調査が不十分との批判が続出しているが、実態解明に後ろ向きな姿勢が強まっている。

 「個人情報の流用はあってはならない。現実に起きたことはおわびする」。日本郵便取締役も務める増田氏は会見で、局長らによる顧客情報の流用について謝罪した。ただ、「調査が十分かどうかは見方が分かれる。見解の違いだ」とし、日本郵便の調査や処分のあり方に問題はないとの認識を強調。「今後起きないように研修などを確実に行って信頼を高めたい」とも語った。

 日本郵便が1月21日に公表した調査結果では、局長104人が1318人分の顧客情報を政治活動に使っていた。ゆうパックのラベルやゆうちょ銀行の書類などから情報を抜き出し、全国郵便局長会自民党公認で参院選で擁立する候補者の得票につなげようとしていた。

 だが、日本郵便が不正と認定したのは局長からの自己申告分だけで、不正の原因や背景は示さなかった。顧客を狙った政治活動の指示が複数の地方郵便局長会で出ていたことを示す文書があるのに、詳しく調べることはしないという。総務省の有識者会議で「調査終了は論外」「原因にメスが入らないとまた起きる」などと批判されながら、調査をそのまま打ち切った。日本郵便は顧客情報の流用を認めたあとは、一度も記者会見を開いていない。(藤田知也)