JR九州の無人駅化をめぐる裁判 原告「障害者だけの問題ではない」

倉富竜太
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 JR九州が駅を無人化したことで移動の自由を制限されて苦痛を受けたとして、車いすを利用する大分市内の3人が損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が10日、大分地裁(府内覚裁判長)であった。JR九州が新たに県内の4駅を無人化することについて原告が意見陳述し「公共交通機関としての役割をいま一度真摯(しんし)に見つめ直してほしい」と訴えた。

 意見陳述したのは、重度の障害がある社会福祉法人理事の吉田春美さん(68)。

 JR九州は昨年12月23日、九州6県で計29駅を無人化すると発表。県内では日豊線の大神、暘谷(ようこく)、東別府駅と久大線の天ケ瀬駅が対象となった。

 吉田さんは「突然の告知はJR九州のホームページと駅に掲示されただけ。説明会の開催を求めたが、開かれることなく1月27日に社長が記者会見をし、推し進めることを明言した」と訴えた。

 そのうえで「もはやこの裁判は僕たち障害者のためだけのものではなく、高齢者や女性、子どもなど、地域の足はJRしかない人たちの安全性や利便性の問題だ」と指摘した。

 吉田さんによると、無人化反対の署名は7万3113筆に、訴訟を支援する署名は4万筆にのぼる。兵庫や京都、広島、大阪など全国から寄せられているという。

 吉田さんは「JRの線路が全国各地につながっているように、駅員を残してほしい気持ちも全国各地一つになってつながっている」と語った。

 新たに無人駅が増えることについて、原告側代理人の徳田靖之弁護士は「争点は同じで、訴訟が長引くだけなので追加提訴は考えていない」とした。(倉富竜太)