第45回児童養護施設での性暴力 「殴られる」恐怖、上級生らに呼び出され

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編集委員・大久保真紀
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 「自分の子ども時代を返してほしい。もっと早く助けてもらいたかった」。関東地方に住む男性(32)は児童養護施設での生活を振り返りながら言う。

 父母が離婚し、3歳で児童養護施設に入った。3~18歳の約80人が生活する施設では当時、職員から子どもへの暴力が珍しくなかった。食事を残したり、クリスマス会でのダンスを間違えたりすると、竹刀でたたかれた。子ども同士の暴力もあった。

 だが男性には、ほかに行き場はなかった。

 小学生のころ、中高生たちに野球のボールをぶつけられ、体中があざだらけになった。強引に引っ張られ、転んで腕を骨折したこともある。

 そんな中で、性暴力も行われていた。

児童養護施設には、親の虐待などの理由で親と一緒に暮らせない子どもたちが生活しています。本来ならば子どもたちにとっては安心できる場所でなければなりません。しかし、残念ながら子どもたちの間で性暴力が起きています。

やらないと殴られる 年上からの要求

 小学2年のときだ。小中学生が一緒になって外で「ドロケイ」と呼ばれる鬼ごっこをして遊び、その後、中学生とブランコに乗っていた。

 「こっち来て」。人気のない…

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    大久保真紀
    (朝日新聞編集委員=子ども虐待など)
    2022年2月22日18時27分 投稿

    【解説】 児童養護施設での子ども間の性暴力は、長い間、関係者の中では認識されてきたことです。しかし、「子どもや施設への偏見につながる」ことから、公には語られてきませんでした。しかし、2019年に厚生労働省が初めて調査をし、17年度に732件、137

連載子どもへの性暴力(全47回)

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