野菜を正しく、楽しく 日本の野菜ソムリエ101人に県内から2人

中塚久美子
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 日本の「野菜ソムリエ101人」に、兵庫県内から2人が選ばれた。日本野菜ソムリエ協会(本部・東京)が初めて刊行した「野菜ソムリエ名鑑 vol.1」(木楽舎)に、宝塚市の石井郁子さん(65)と尼崎市の高見忠男さん(48)が載った。野菜を通じて笑顔を増やしたい――。それぞれの気持ちに拍車が掛かる。

 野菜や果物の知識を幅広く身につけ、魅力を発信する「野菜ソムリエ」は同協会が認定する資格で、取得者は約6万人いる。協会創立20周年記念として、地域での活動実績や「野菜ソムリエアワード」の受賞歴などをもとに協会が99組101人を選び、名鑑が1月末に出版された。

 野菜ソムリエとして17年のキャリアがある石井さんは、「野菜ソムリエになって『大好き』を見つけさせてもらい、人生がガラッと変わった。選ばれてうれしい」と話す。

 「普通の主婦だった」という石井さんは、「これからは野菜ソムリエの時代だ」という家族の言葉をきっかけに学び始めた。美容に関心があり、体の中からきれいになることを意識したという。「品種の違いや料理法など、正しい情報を伝えることで多くの人に喜んでもらえた」。料理教室を運営しながら、食育や企業ブランディングなどに関わる。

 尼崎市で仏料理店「エマーブル」を営む高見さんは料理学校を卒業後、ホテルニューオータニ大阪や仏の二つ星レストラン、尼崎市の産婦人科医院の厨房(ちゅうぼう)での経験がある。

 2010年に独立。消費者が生産者と交流することで「自然を意識し、野菜の価値を知ることができるのでは」と考え、姫路市の農家を月2回招き、店先で朝市を開く。コロナで料理教室を休止する代わり、朝市の日は野菜を使ったモーニングの提供を始めた。「いくら体によくても、楽しくなくちゃ続かない。調理の仕方でおいしさが変わることを伝えたい」と話す。

 名鑑は税込み1210円。一般書店などで販売している。中塚久美子

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