おうちで育てた苗 誰かの命を救うかも 大水害に遭った起業家の願い

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林敏行
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 ある日、自宅に届いた高さ20センチほどの箱。中には、木の鉢や土、ドングリが入っている。あなたがやることは、このドングリから芽吹かせた小さな苗を、家や職場で大切に育てること。それはやがて、誰かの命を救うかも知れません。

 この苗の名前は「戻り苗」。和歌山県田辺市の林業ベンチャー「ソマノベース」が始めたプロジェクトで、昨年末、クラウドファンディングに出資した135人の自宅などに届けられた。

 紀州産ヒノキで作られた六角形の飾り鉢と観葉植物用の土、ドングリがセットになっていて、土の上にドングリを置いて水をやり続けると、やがて常緑樹のウバメガシの苗木に育つ。

 自宅やオフィスで観葉植物として育てて、2年後。成長した苗木を送り返すと、田辺市の山に植林される。植林された苗木は20~30年かけ、紀州備長炭の材料にも使える大きさにまで成長する。成長した木が山肌に根を張ることで山の保水力が高まり、土砂崩れなどの減少に貢献できる。

 「ソマノベース」の代表を務めるのは和歌山出身の起業家、奥川季花(ときか)さん(26)。土砂災害による人的被害を無くすことを目指し、会社を立ち上げたのには訳がある。

 奥川さんが生まれ育ったのは、同県那智勝浦町。山に囲まれ、台風や大雨も多い土地柄だが、2011年の台風12号による雨は、それまでのものとは違った。

 9月4日未明まで降り続いた…

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