ドーピング陽性のワリエワに出場許可 16歳未満であることを考慮

北京=遠田寛生
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 スポーツ仲裁裁判所(CAS)は14日、禁止薬物に陽性反応が出たフィギュアスケート女子のカミラ・ワリエワ(15)=ROC(ロシア・オリンピック委員会)=について、北京冬季五輪への出場を引き続き認める裁定を下した。

 ワリエワが16歳未満で、世界反ドーピング機関(WADA)が定める「要保護者」であることなどを考慮した、としている。ワリエワが優勝候補筆頭とされている女子は15日にショートプログラム、17日にフリーがある。

 CASはワリエワの陽性を認定したうえで、「この状況で選手の五輪出場を阻んだ場合、取り返しのつかない損害を(選手に)与えると考えた」と説明した。陽性通知が大幅に遅れなければ今回の事態は起きなかったとし、それは選手の責任ではないなどとした。

 ワリエワは昨年12月の国内大会でロシア反ドーピング機関(RUSADA)が採取した検体から禁止薬物が検出されたため、今月8日に暫定的な資格停止処分となった。しかし、本人が9日にRUSADAに異議申し立てをし、その日に処分を解除された。

 国際オリンピック委員会(IOC)とWADAなどは11日、処分解除を不服としてCASに提訴していたが棄却された。

 この日の裁定はあくまで出場可否のみで、すでに終了した団体戦やこれからの個人戦の成績が有効かどうか、ワリエワにドーピング違反を問えるのかどうかなどについては「別の機会で審理される」としている。団体戦はワリエワの活躍でROCが金メダルを獲得し、日本は3位だった。WADAはコーチら周辺の関係者を中心に陽性になった原因を調査している。(北京=遠田寛生)

ワリエワのドーピング問題の経緯■

21年12月25日

ロシア選手権でロシア反ドーピング機関(RUSADA)が検体を採取

22年2月7日

ロシア・オリンピック委員会(ROC)が北京冬季五輪のフィギュアスケート団体戦で金メダル

8日

ストックホルムの検査機関が昨年12月に採取した検体から禁止物質トリメタジジンが検出されたと報告。暫定的に資格停止に。メダル授与式は中止

9日

国際オリンピック委員会(IOC)が「国際スケート連盟(ISU)との法的協議が必要になった」とメダル授与式延期の理由を説明。ワリエワの不服申し立てを受けてRUSADAが暫定資格停止を解除

10日

ワリエワが練習に姿を見せる

11日

国際検査機関(ITA)が経緯を公表。IOC、世界反ドーピング機関(WADA)がRUSADAの決定を不服としてスポーツ仲裁裁判所(CAS)に提訴

12日

国際スケート連盟(ISU)もCASに提訴

13日夜~14日未明

CASが聴聞会をオンラインで実施。ワリエワ、RUSADA、IOC、WADA、ISU、ROCが参加

14日

CASがワリエワの出場を認める裁定

15日

女子シングル・ショートプログラム

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