第5回ほとぼり冷めたらまた飲める 治療病棟で「ガチャ」と響いた施錠音

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浅野真
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 2017年9月29日、アルコールを手放せなくなっていた私(55)は、東京都内にある大学病院に入院した。

 消化器内科で「アルコール性肝障害」と診断された。「肝硬変」と言われるのを恐れていたが、そこまでには至っていなかった。

 毎朝、採血を受けた。基準値の30倍、1500IU/lもあったγ-GTPの値は少しずつ下がっていった。

 睡眠薬を処方され、夜はよく眠れるようになった。

 アルコール依存症は、脳が飲酒をコントロールできなくなる病気です。医療につながってほしいという思いから記者が体験を振り返る連載の5回目です。

職場は大忙し、自分は病院のベッドに

 テレビをつけると、ワイドショーを含めて衆院選の報道一色だった。小池百合子氏が「希望の党」を結成し、民進党が分裂していた。

 本来なら、朝日新聞秋田総局で、選挙報道を展開しているはずだった。政局が秋田の選挙にどう影響を与えるのか、取材して読者に伝えることが仕事だ。

 それが、東京都内の病院にいる。つくづく情けなかったし、同僚に申し訳なかった。

 衆院選の投開票日は10月22日だった。「2週間で退院し、すぐに仕事に復帰しよう」という考えでいた。

 だが、そのうちに内科医だけでなく、精神科医も診察に来るようになった。直接には言われないものの、アルコールの精神的影響を確認しているようだった。

 ある日、妻が病院に呼ばれ、2人の医師と4人での話し合いがあった。

 精神科医が「今回の内臓への…

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