「古い建物はすぐ壊され駐車場に」→アートで化学反応 松本で芸術祭

羽場正浩
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 街の中心部に、松本城と旧開智学校という二つの国宝がある長野県松本市。ほかにも残るノスタルジックな名建築物にアート作品を重ね合わせた「マツモト建築芸術祭」が、市の中心市街地で初めて開かれている。19カ所の建物に作家約20人の作品が並ぶ。各会場とも見学無料で、20日まで。

 松本の新たな表情や価値を生み出そうと、実行委員会が主催する。会場となる建物は、豪華な装飾が施された割烹(かっぽう)松本館、旧第一勧銀松本支店(現アルモニービアン)、古民家(現レストランヒカリヤ)といった国登録有形文化財や、閉館した映画館など。中心街をのんびり回遊しながら、建物の趣深さと現代アートの融合が味わえる。

 実行委は昨年、50以上の建築物を候補として洗い出し、その中から会場を選んだ。「古い建物はすぐに壊されて駐車場になってしまう。建築物とアートを組み合わせて化学反応を起こし、感性を取り戻すきっかけになってほしい」。実行委員長の斉藤忠政さん(扉ホールディングス代表)は開催の狙いをそう話す。

 運営には多くのボランティアがかかわり、会場の準備を進めた。ふだん中に入れない建物もあり、貴重な見学の機会となっている。新型コロナウイルス対策で会場では手指消毒や検温などが必要。詳細はホームページで。(羽場正浩)