第7回妻が別居を提案、医師の前で怒ってみたが 依存症は家族を巻き込む

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浅野真
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 2017年秋、私(55)は埼玉県精神医療センターでアルコール依存症の治療プログラムを受けていた。

 まもなく退院というころ、主治医の合川勇三医師と私、妻、兄の4人で面談があった。

 「退院後の生活をどうしますか」

 私は早く職場に戻りたかった。

 朝日新聞秋田総局から戻り、東京本社地域報道部の記者になる辞令が出ていた。

 もちろん埼玉県内の自宅から通うつもりだったが、妻はこう切り出した。

 「お兄さんとも相談したけど、子どもの大学受験のこともあるから、しばらくお兄さんと実家で暮らしてほしい」

 「しばらく別居」の提案だった。

 私は怒り心頭に発した。「もう断酒するんだから、受験勉強は関係ないだろ」

 妻は「子どもには、静かな環境で勉強させたいの」と言った。医師の前で口論になったが、妻は一歩も引かなかった。

 アルコール依存症は、脳が飲酒をコントロールできなくなる病気です。医療につながってほしいという思いから記者が体験を振り返る連載の7回目です。

 当時つけていた入院日記にはこうある。

 「いったい受験と私のことと、どう関係があるのか?」

 私は「こんな身勝手な家族だから、オレは依存症になったんだ」と思った。

家族が患者を尻ぬぐい、結果的に飲酒の助長にも

 だが妻の対応は間違っていな…

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