子どもたちを加害者にも被害者にもしないために 連載第6部にあたって

編集委員・大久保真紀
写真・図版
[PR]

 子どもの性被害について考える企画「子どもへの性暴力」第6部は、子ども同士の間で起こる性暴力を取り上げます。

 つきあっている子どもの間で、学校のいじめの中で、閉ざされた空間で。さまざまな場面で性暴力が起きています。

 支配・被支配の関係といった大人と共通のものもあれば、性に興味がある年齢がゆえに起こることもあります。子ども間の行為は見逃されがちで、軽くみられる傾向があります。「そんなことが起こるはずがない」という大人の側の意識が影響しているほか、遊びや上下関係の延長で起こることもあり、子ども自身が性被害と気づくことが難しいという特徴もあります。

 子どもたちを加害者にも被害者にもしないため、被害・加害を深刻化させないためには、社会としての対応が必要です。しかし、私たちの意識も子どもたちへの教育も不十分です。

 「なかったこと」「ないこと」にするのではなく事実に向き合うことが大切です。子どもが性に興味を抱くのはふつうのことです。一律に接触を禁止すればいいというものでもなく、加害側を責めるだけが解決でもありません。

 水着で隠れる体の大切な部分は人に見せない、触らせない、人のも見ない、触らないという「プライベートパーツ」のルールや性的同意などについて、タブー視せずに幼いころから教えていく、どんな小さなことでも性暴力があれば丁寧に対応する――。そうした実践が、子どもたちを守っていくことになると考えます。

 取材で出会った当事者の体験を通して、この問題を考えます。(編集委員・大久保真紀