「しんどい」センサーが壊れがちなヤングケアラー 家族ごと支える

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聞き手・畑山敦子
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 「貧困」は経済的なものだけではなく、「つながり」や、家族の人数が少ないことによる「支え合う力」の貧困もある――。兵庫県尼崎市などで、「ヤングケアラー」がいる家庭を支援してきたスクールソーシャルワーカーの黒光さおりさんは、そう感じているといいます。子どもやその家族に向き合い、支援につなげようと奔走するなかで、見えてきたこととは。

スクールソーシャルワーカーとは

 ――学校には先生がいます。先生との役割の違いをどう考えていますか。

 先生からほめられたり認められたりしたことを、子どもはずっと覚えているもの。これは、子どもを近くで見ている先生にしかできないことで、スクールカウンセラーやソーシャルワーカーでは代われない関係です。

 一方、家庭のことを学校では言えない、先生に言ったら校長先生などに話が回って大ごとになるのではという不安がある子もいます。事務の多さ、ICT化への対応、コロナ対策など、先生に余裕がない状況もあります。

 先生が家庭訪問して信頼関係をつくることはできますが、「こんな福祉制度があるから使ったらどうですか」と勧めるのは先生ではなく福祉の仕事でしょう。その担い手となるのがソーシャルワーカーです。

 ただ、私はスクールソーシャルワーカーとはあまり名乗っていません。「学校をうろうろしている人」とか「子ども食堂を手伝っている人」とか言って、子どもに警戒されずに学校に入っていけるようにしています。

 ――ヤングケアラーの子どもは、自分の状況をどう思っているのでしょうか。

 子どもが自分から、家族のケアの悩みを言い出すことはめったにありません。子どもとしては、「なんか対人関係がうまくいかへん」「何が原因かわからないけれどしんどい」という感覚です。自分が家族をケアしていて、その責任の重さがしんどさに影響しているという自覚はないのです。

 ――むしろ、進んでやっている子どももいるのでしょうか。

 家族のためにやることに自信があって、実際にめちゃくちゃたくさんしていても、もっと私がやろうと思っている子もいます。その子の気持ちも大事にせなあかん。けど、ヤングケアラーは「しんどい」のセンサーがまあまあ壊れていることもあるんですよね。

 ――センサーが壊れている…

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