SNSを草創期から使いこなしてきたジャーナリストの津田大介さんは、SNS上の誹謗(ひぼう)中傷が深刻になるにつれ、警鐘を鳴らして議論を提起してきました。朝日新聞デジタルの多彩なコメンテーターがひとことをプラスする有料会員向けサービス「コメントプラス」(https://www.asahi.com/comment/)を使って、連載「誹謗中傷を許しているのは誰か SNSの構造を追う」に、意見を寄せてくれました。津田さんの了解を得て再構成し、紹介します。
【連載】誹謗中傷を許しているのは誰か SNSの構造を追う
SNSでの誹謗中傷は「書き込んだ人の問題」とされがちです。しかし、実際は、ネット上の仕組みや法制度、企業のあり方も被害回復をより難しくしています。「被害者」をさらに追い詰める構造を追いました。
個人がネット上で自身の欲望の赴くままに振る舞った結果、極端な行動や主張に行き着いてしまう現象を、米国の憲法学者キャス・サンスティーンは「サイバーカスケード」(日本語でいえば「ネット炎上」でしょう)と名付けました。
その彼が書いた「インターネットは民主主義の敵か」(毎日新聞社、2003年)は、インターネット上における言論を考えるうえでの「基本書」とも言われています。
日本にも影響を与えた問題提起
原著は2001年発表で、ツ…
- 【視点】
一般向けとしては、専門的なところにも立ち入った他にはない内容で、広く読まれてほしい連載です。完結したので、全体についてコメントしたいと思います(※本文が一部欠落していたため、再投稿しました。ついでに、2)について一部加筆しました)。
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