パシュート連覇へ、原点回帰で挑む日本 世界で主流の作戦に追随せず
菅沼遼
スピードスケート団体追い抜きの日本女子メンバーとヨハン・デビットコーチは、北京五輪でとる作戦を1月まで話し合っていた。焦点は「先頭交代をどうするか」だった。
この種目は3人が同時に滑り、400メートルのコースを女子は6周、男子は8周する。最後にゴールした選手のタイムで競われるため、遅れる選手を出さないことが重要になる。3人は縦に並び、先頭が風よけとなり、後ろの2人の体力消耗を軽減する役目を果たす。
従来は先頭の負担を分散するため、数周ごとに先頭を交代するのが定石だった。
そこに、2020年に米国男子が新たな作戦を考案。先頭を交代せず、1人が風よけの役に徹する代わりに後ろの2人が前の走者の腰を押し続ける。スピードが落ちやすい先頭交代をなくし、「三位一体」となって負担を分け合うという発想の転換だった。
男子ではこの「プッシュ作戦」が主流になりつつあり、連係に磨きをかける米国男子は昨年12月に世界記録を更新している。
日本女子は今季のワールドカ…