高木菜那に恩師がかけたい声「しょうがないぞ。気持ち切り替えよう」

中沢滋人 武沢昌英
[PR]

 「残念だけど、全力を出し切った証拠だ」。15日、あと一歩のところで2大会連続の金メダルを逃した北京冬季五輪スピードスケート女子団体追い抜き。メンバーは北海道内出身の高木菜那、美帆、佐藤綾乃押切美沙紀の4選手。それぞれの地元はメンバーの健闘をたたえる温かい声に包まれた。

 高木姉妹の地元、幕別町のオンライン応援会のホスト会場では、帯広南商業高校スケート部で高木姉妹を指導した東出俊一さん(65)らがレースを見守った。最終盤に転倒した菜那選手について「菜那は高校時代も転んだところをみたことがないぐらいだが、相手の追い上げに対抗しようとそれだけ足を使って、筋力疲労したのだろう。最後の最後までわからないのがスポーツ。とにかくよくやったとたたえたい」と語った。

 菜那選手は高校時代、なかなか1位になれず、「なぜ勝てないのか」と涙することもしばしばあった。東出さんが「次があるぞ」と励まし、そのたびに菜那選手ははい上がってきた。

 菜那選手は19日のマススタートに出る。東出さんは菜那選手の落胆を案じながら、こう声をかけたいという。「菜那、しょうがないぞ。いつまでも引きずっていても、何もならない。次がある。マススタートに向けて、気持ちを切り替えよう」

 佐藤選手が育った厚岸町の町役場では、職員や佐藤選手の家族がテレビ中継をみて声援を送った。父親の文則さん(53)は「結果は残念ですけどみんなが全力を出し切った。綾乃はいつも通りの滑りにみえた。このメンバーだからこそ、連続で取れたメダル。『お疲れ。おめでとう』と言ってやりたい」と話した。(中沢滋人、武沢昌英)

有料会員になると会員限定の有料記事もお読みいただけます。

【10/25まで】すべての有料記事が読み放題!秋トクキャンペーン実施中!詳しくはこちら

北京オリンピック

北京オリンピック

北京オリンピックの最新ニュース、選手や競技情報はこちらから[もっと見る]