ウクライナ東部を「独立国家」に ロシア下院、大統領に承認求める

モスクワ=石橋亮介
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 ロシア下院は15日、親ロシア派武装勢力が支配するウクライナ東部の一部地域を独立国家として承認するようプーチン大統領に求める決議を採択した。同地域では、親ロシア派武装勢力とウクライナ軍の紛争が続いており、緊迫するウクライナ情勢を巡って欧米を揺さぶる狙いがあるとみられる。

 同地域の独立の承認をプーチン氏に求める決議案は共産党が1月に提出した。タス通信によると、与党「統一ロシア」はプーチン氏に要請する前に外務省などに諮問する決議案を出していたが、共産党の決議案がより多くの賛成票を獲得し、採択された。

 ウクライナでは2014年、ロシアが南部のクリミア半島を一方的に併合。東部ではロシアが支援する親ロシア派武装勢力がドネツク州とルガンスク州の一部地域を占領し、「ドネツク人民共和国」「ルガンスク人民共和国」を名乗ってウクライナ軍と紛争を続けてきた。

 紛争の激化を受け、ロシア、ウクライナと独仏の4カ国は15年、和平プロセスを定めた「ミンスク合意」と呼ばれる停戦合意を締結した。だが、同地域に事実上の自治権にあたる「特別な地位」を与えるとする条件にウクライナ側が反発し、無条件での合意の履行を求めるロシアとの対立が激化。ロシアはウクライナ国境などに軍部隊を集結させ、圧力を強めている。

 プーチン氏は15日、モスクワで行ったドイツのショルツ首相との首脳会談後の共同会見で、「議員は世論を反映し、我が国の国民の大多数はこの地域の住民に同情している」と述べ、独立の承認を求める世論の存在を強調した。ただ、独立を承認するかどうかについては明言を避けた。(モスクワ=石橋亮介)