動物福祉、英国の課題は? 元野良猫との暮らし描いた作家に聞く

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聞き手・太田匡彦
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 ストリートミュージシャンだった薬物依存症の青年が、1匹の野良猫と出会って人生を立て直す――。奇跡のような実話をつづり、ベストセラー作家となったジェームズ・ボーエンさん(42)。「ボブ」と名付けた猫との物語を書いた一連の著作は世界中で愛され、2016年に映画化されました(日本公開は17年)。続編映画「ボブという名の猫2 幸せのギフト」の25日公開を前に、20年6月に死んだボブへの思い、アニマルウェルフェア(動物福祉)向上にむけた課題などを聞きました。

 ――今回の作品は、ボブとの強い絆が描かれていて印象的でした。

 僕もそう感じました。実際にボブとは、言葉で表し尽くせないくらい深い絆を育んでいました。いまもほとんど毎日、彼のことを考えています。今作は、ストリートでボブと一緒に過ごした最後のクリスマスを題材にしています。当時の日常がそのまま描かれているのですが、いま振り返ると、とても貴重な時間だったとわかります。ボブは、本当に素晴らしい相棒でした。

 ちなみにボブ役は2作とも、ボブ自身が務めています。19年秋から冬にかけて撮影された今作でも、最高の演技を見せてくれました。

 ――飼い主の責任や覚悟を問う内容にもなっています。

 動物を飼うということは、家族の一員として迎えるということ。彼らは私たちに、大きな喜びと愛を与えてくれる、かけがえのない命です。パートナーや子どもと同じように、一生ケアしないといけません。そういう重い責任があるということを、映画でも訴えかけています。

 コロナの感染拡大後、子犬や子猫を安易に飼い始める人が増えていることに、不安を覚えています。僕はいま犬1匹、猫4匹を飼っています。犬の「チューバッカ」は20年10月にいわゆる「パピーファーム(子犬工場)」で生まれました。最初に買った人は、たった1週間でこの子を動物愛護団体に預けてしまいました。それを僕が引き取ったのです。安易に買った人の犠牲者でした。

日本に暮らす猫のいま、そして未来について考えようと22日午後7時から、保護猫カフェ「ねこかつ」の梅田達也さん、俳優の浅田美代子さんを招き、記者イベント「『猫の日』に考える 日本の猫たちのこと」を開きます。参加無料。申し込みは募集ページ(https://ciy.digital.asahi.com/ciy/11006812別ウインドウで開きます)から。ぜひ、ご参加ください。

 ――英国でも、「子犬工場」と呼ばれるような悪質な繁殖業者が問題になっているのでしょうか。

 大きな問題です。母犬は劣悪な環境のなか、子犬をたくさん産ませられています。子犬たちはきちんと面倒を見てもらえないまま、非常に高値で売られています。しかも、母犬からかなり早い時期に引き離されるため、犬どうしや、人間と共に暮らしていくのに必要な知識や経験を得ることができません。チューバッカも、僕が引き取った時点でも、とても小さく幼かったです。

 ――欧州では動物福祉の取り組みが進んでいるというイメージがあります。フランスでは昨年11月、ペットショップで犬猫を販売することを24年から禁止するという法律が成立し、日本でも話題になりました。

 全面的に賛成です。すばらし…

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