石油の国家備蓄放出第2弾 全体の0.6%の26万キロリットル売却

新田哲史
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 経済産業省は16日、石油の国家備蓄の約0・6%にあたる約26万キロリットル(164万バレル)を売却すると発表した。国家備蓄の放出の第2弾となる。米国やインドなど主な消費国による協調放出の一環だ。原油が高騰しているなか、供給量を一時的に増やして価格を下げるねらいがある。

 売却するのは、北海道の苫小牧東部国家石油備蓄基地の約11万キロリットルと、鹿児島県のENEOS喜入基地にある約15万キロリットル。3月9日に入札し、4月20日以降に引き渡す。

 国家備蓄は昨年12月末時点で国内需要の146日分(約4500万キロリットル)ある。目標の約90日分を上回っており、政府は「余剰分」のうち数十万キロリットルを売る計画だ。第1弾となる約10万キロリットルの入札は今月9日に実施した。(新田哲史)

 石油備蓄

 日本では1973年の第1次石油危機などを受け安定供給のために70年代に始まった。国が所有する国家備蓄と、石油会社に法律で義務づけている民間備蓄などがある。国家備蓄は全国10カ所の基地や借り上げた民間タンクなどで国内需要の約90日分以上を貯蔵する。民間備蓄は70日分以上と定め、国が購入資金などを支援している。国内の民間タンクを産油国の石油会社に貸与する産油国共同備蓄と合わせると、10月末時点で計244日分の原油や石油製品が貯蔵されている。国家備蓄の対象は原油と灯油だったが、東日本大震災後の法改正でガソリンや軽油、重油も加わった。このほかに、家庭用プロパンガスなどに使われる石油ガスも国家備蓄と民間備蓄がある。

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