ITを駆使し昨季の雪辱を DeNAを陰で支えるデータ戦略部隊

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吉村良二
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Go For IT!ベイスターズ

 プロ野球の春季キャンプは後半に入り、横浜DeNAベイスターズも練習試合やオープン戦が本格化する。昨季の雪辱を期すチームの「見えない力」になるのがデータ戦略だ。DeNAは統計学の専門家らが加わったR&D(リサーチ&ディベロップメント)グループを2017年に創設し、12球団の中でも先進的に取り組んでいる。その中でデータ分析を担当する吉川健一さん(34)に、今季にかける思いを聞いた。

 「とても、もどかしい思いでした」。吉川さんは最下位に終わった昨季を振り返る。外国人選手の来日遅れや投手陣の故障・不調などの事情があったが、「もう少し有益なデータや戦術を提供できなかったのか、反省があった」。オフの期間も多忙だった。シーズン中のデータを詳細に分析し、選手の課題や強化ポイントなどを洗い出す作業に全力を注いだ。コーチらも交えて、全選手を対象に20~30分の個別ミーティングを開催した。

 兵庫県出身の吉川さんは大阪大の野球部で捕手だった。大学院の修士課程へ進んで統計学や確率論を学び、銀行に就職。しかし、18年12月にDeNAのデータサイエンティスト募集を知り、転職を決意した。「野球が大好きで、データ分析を野球で活用できるのは天職かもしれない」。今季で4シーズン目を迎える。

 R&Dグループには、吉川さん以外にも米スタンフォード大卒の統計専門家、動作解析の専門家など様々な経歴の人たちが在籍。今季から元プロ選手らによるゲームアナリスト(旧スコアラー)も同じグループとなり、総勢15人。育成、編成、戦術などでチームを支える。

 データを駆使した取り組みは、故・野村克也監督による「ID(インポート・データ)野球」で球界に広く浸透した。その進化は近年さらにスピードを増し、先行する大リーグを追うように日本でも最新機器が次々と導入されている。

 IT(インフォメーション・テクノロジー)を駆使した野球は、相手の苦手なコースを分析したり、配球を読んだりするだけではない。吉川さんは「データを活用するのは変わりません。ただ、今では得られる情報量が以前より桁違いに増えました。膨大なデータから有用な情報を抽出して、いかに活用できるかが重要です」と語る。

 例えば、相手打者によって内…

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