アインシュタインの相対性理論に触れてみる
「相対性理論」で知られるアルベルト・アインシュタインの来日から、今年は100周年。アインシュタインの名は知っていても、業績を詳しく知らない人は多いのではないか。2012年度に実施された京都大学の入試問題を題材に、中高生対象の塾SEGの吉田弘幸講師に改めてこの理論を解説してもらった。
相対性理論は、現代の物理学を支える重要な基礎理論です。特殊相対性理論が1905年に発表され、1915年~16年、一般相対性理論が発表されました。特殊相対性理論は、アルベルト・アインシュタインが発表した一つの論文「動いている物体の電気力学(Zur Elektrodynamik bewegter K●(oに¨〈ウムラウト〉付き)rper)」によりほぼ完成していました。一方、一般相対性理論は複数の論文を経て理論として完成していきました。
高校の物理では、残念ながら相対性理論をまったく扱っていません。教科書には唯一、特殊相対性理論からの結論として導かれる質量とエネルギーの等価性のみが紹介されています。一般相対性理論を理解するには高等数学の知識が必要になりますが、特殊相対性理論であれば、中学で学ぶ数学の範囲内で基本的な内容は理解できます。高校生がチャレンジする物理オリンピックでは、特殊相対性理論も出題分野に含まれています。難しそうだと敬遠せずに、相対性理論に触れる中高生が増えることを期待しています。
今回とりあげた問題は、相対…