海水と淡水の「壁」が見える施設、北九州に いつ出るかは運次第
山本大輔
【動画】水の壁「塩水くさび」が見られる日本初の施設=北九州市立水環境館提供
川の真水と海の塩水が混ざらず、境界壁があるように見える「塩水(えんすい)くさび」という自然現象がある。これをアクリル窓越しに観察できる珍しい施設が北九州市にある。市中心部を流れる紫川(むらさきがわ)の河口にある市立水環境館。いつ出るのかがはっきり分かっておらず、見られるかどうかは運次第。(山本大輔)
高さ2・3メートル、幅7・2メートル、厚さ25・5センチの巨大な窓越しに水深約5メートルの紫川を観察していると、突然、水面と平行にゆらゆら揺れる線があちこちに浮かび上がった。薄くなったり濃くなったりしながら徐々につながり、水中を二分するような一つの長い線となった。内村政彦館長(63)は「運がいいですね。いつも見られるわけではありません。正式には『ヘルムホルツ波』と言うようですが、我々は『ゆらゆら帯』や『塩水くさび』と呼んでいます」と話す。
水質改善の思わぬ副産物、イスラム教徒が注目
海くさびが見えるようになったのは、長年にわたる水質改善の努力の結果でした。このような現象はイスラム教の聖典にも記されていて、信徒から驚かれています。
内村館長によると、川と海の…