ロシアの「ニセ情報」を米が警戒 クリミア併合時に「似ている」

有料記事ウクライナ情勢

ワシントン=高野遼 ブリュッセル=青田秀樹、モスクワ=中川仁樹
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 ウクライナ情勢をめぐりロシアが見せた「緊張緩和」への動きについて、米政府は「偽りだ」と警戒を呼びかけている。北大西洋条約機構(NATO)もロシアの軍事圧力を前提とする中長期的な防衛強化に向けた検討に入ったが、ロシアはこうした欧米の姿勢に反発している。

 16日に会見した米政府高官は、「(ロシア側の)発言を額面通りに受け取ってはならない」と釘を刺した。西側諸国を「加害者」にでっち上げる偽情報により、攻撃の口実を捏造(ねつぞう)するのがロシアの「定番の手口」だと分析。その兆候はすでにあるという。

 「現在、ドンバスで起きているのは『集団殺害』だ」。プーチン大統領は15日、ショルツ独首相との共同会見で語った。ウクライナ東部のドンバス(ドネツク州とルガンスク州)で続く紛争では多数の犠牲者が出ているが、米国務省のプライス報道官は「(集団殺害の主張には)何の根拠もない」と否定した。

 米国が警戒心をとがらせるのは、「2014年に経験した経緯と不気味なほど似ている」(プライス氏)ためだ。同年にロシアがクリミア半島を併合した際、現地に住むロシア系住民への迫害を口実にした。「これが今年も再現されるのではないか」とプライス氏は懸念する。

 米政府の説明によれば、ロシア側の「偽情報」はこの数日で増えている。欧米がゲリラを送り込んで地元住民を殺害している▽米国とウクライナが生物・化学兵器を開発している――といった偽情報が出ていると指摘。特にロシア国営系メディアの報道には懐疑的になるよう呼びかける。

 米政府には、14年にロシアがクリミア半島を併合した際の反省がある。今回は当時と比べ、圧倒的に多くのインテリジェンス(機密情報)を積極公開し、ロシアの手口を先回りして封じる戦略だ。

 プーチン氏を牽制(けんせい)するとともに、各国にもロシアの挑発に惑わされないよう注意を促し、ロシアに軍事侵攻の口実を与えない狙いがある。(ワシントン=高野遼)

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