高木美帆、有終の金 体はボロボロ、立ち続けて知ったリンクの「癖」
菅沼遼
(17日、スピードスケート女子1000メートル)
張り詰めた緊張が解けたように、ヨハン・デビットコーチと抱き合うと涙が流れた。「ありがとう」という言葉だけを交わした。
届きそうで届かなかった五輪の金メダル。高木美帆の13日間、5種目7レースにわたる挑戦は、最高の形で幕を閉じた。
この日の朝、姉の菜那からは笑って言われた。「銀メダル四つでも、快挙らしいよ」。明るい雰囲気で、最後のレースに送り出され、のびのび滑った。
「最後まで滑りきることと…
- 【視点】
「最終的にはどの種目をやりたいの?」 10数年前、中学生だった高木美帆さんにアホな質問をしたことがあります。 それまで、日本のスピードスケート界で世界に通用するのは、清水宏保さんや加藤条治さん、長島圭一郎さん、岡崎朋美さん、そして若