テレビ局と大手配信事業者の関係に変化が訪れている。配信事業者は数年前まで民放にとっては脅威であり、各局は対抗するように自前の配信プラットフォームを整えてきた。しかし、現在はそれぞれの得意分野を生かした協業も目立つ。その背景を取材した。
「今アジアでは断トツで韓国」
TBS制作でネットフリックスが世界に配信予定のドラマ「離婚しようよ」。配信は2023年だが、既に業界内外で話題だ。宮藤官九郎さんと大石静さんが脚本を共同執筆。地上波での放送予定はない。
TBSは昨年11月、コンテンツ制作費に300億円規模の予算を投じて海外戦略に特化した新会社を設立すると発表。高精細映像対応の新スタジオ建設計画も決まった。海外市場を見据えた動きが際立つ。
「海外配信事業者と話すと『昔は日本のドラマが人気だったが、今アジアでは断トツで韓国。中国やタイも質が高い』と言われ、悔しい思いをした」と話すのは同局の中谷弥生・DXビジネス局長だ。
危機に直面する官僚を描き、昨年地上波で放送した「日本沈没―希望のひと―」もネットフリックスで32カ国語に多言語化して配信された。局側にとっては、これまで各国へ個別に番組を販売していたのに比べ、効率的に輸出できる。
ただ「日本沈没」は、日本と…
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