渡部暁斗、長男誕生で変わったエース 団体戦にこだわった結果の銅
勝見壮史
(17日、ノルディックスキー複合男子団体)
競技場内のスプリント勝負。競り合ったドイツに0・3秒遅れて、両手を突き上げながら3位でゴールした。日本のアンカーは24歳の山本涼太だった。
個人ラージヒルで銅メダルに輝いていた33歳のエース渡部暁斗は、迎える側にいた。仲間と一緒にもみくちゃになった。「10倍うれしい。いや、何倍でもいいや」。そう言って笑った。
これまではずっと、個人での「世界一」を追い求めてきた。17歳で2006年トリノ五輪に初出場。早くから世界の舞台でしのぎを削り、力を伸ばしてきた。生かせる動きはないかと別競技からもヒントを探すほど、研究熱心。14年ソチ、18年平昌で個人銀メダルを獲得。ワールドカップ総合優勝も達成した。「自分が納得できればいい。結果を出すことが一番だった」
20年秋に長男が生まれて変…