「誰かが顔出さなくては」 ミャンマーと香港、在日活動家の覚悟

有料会員記事ミャンマーはいま

編集委員・大久保真紀
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 国軍がクーデターにより全権掌握しているミャンマーと、香港国家安全維持法国安法)が成立し、民主派の運動が弾圧されている香港。故郷の民主化を求め、顔も名前も明らかにして日本で活動する人たちがいる。(編集委員・大久保真紀

ミャンマーからスーツケース2個で脱出

 ソーテイナインさん(52)が日本に逃れてきたのは2021年2月にミャンマー国軍がクーデターを起こした後の昨年10月末。民主化運動の先頭に立ってきたアウンサンスーチーさんらを拘束した国軍は、抗議を続ける市民を徹底的に弾圧し続けている。脱出直前の空港では、飛行機が離陸するまで心臓の音がほかの人に聞こえるのではないかと思うほど緊張した。出国直前に拘束された人もいたからだ。とにかく無事に国を出られることだけを祈った。

ミャンマーの民主化運動の歴史

1988年、26年間続いた独裁体制に対して「独裁者打倒」を訴えて、学生たちが立ち上がった。英国から帰国したスーチーさんが先頭に立ち、国民民主連盟(NLD)を結成。同年8月8日、最大規模のデモが各地で展開された。しかし、軍が無差別発砲し、多数の死者が出た。その後、クーデターで軍が政権を握った。

 ラングーン(現ヤンゴン)工科大学3年生だったソーテイナインさんは、1988年の民主化運動で地域の学生団体のリーダーを務めた。高校教師だった母の教え子が地域の軍の責任者だったことから逮捕は免れた。だが、運動の鎮圧後に軍の取り調べを受け、政治活動には関わらないという書面にサインをさせられた。

 その後、隣国タイに逃れ、9…

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    倉田明子
    (東京外国語大学総合国際学研究院准教授)
    2022年2月19日20時15分 投稿

    【視点】ミャンマーも香港も、急激な変化の中で現地にいる人が声を上げられない、声が届かない状況になりました。そんな中で、海外にいるミャンマー人、香港人の存在がますます重要になっています。ウィリアムさんやケンさんとは私も交流がありますが、危険を自覚した