静の夕梨花と動の知那美 カーリング吉田姉妹、すれ違いを乗り越えて
畑宗太郎
「有言実行と不言実行」「動と静」――。自分たちの性格を「真逆」と語る30歳と28歳の姉妹は、息の合ったプレーで女子カーリング日本代表のロコ・ソラーレを史上初の五輪の決勝に導いた。最後は敗れはしたが、2人は笑顔で手を軽くあげて「ナイス」とたたえ合い、戦った。
姉妹は、北海道のオホーツク海に面した「カーリングの町」旧常呂町(現・北見市)で、ホタテ漁師の家に生まれた。姉の吉田知那美が小学2年生の頃にカーリングを始め、妹の夕梨花も「自然な感じ」で、気付けば一緒にストーンを投げていた。
同じチームで成長した2人だったが、2010年に大きな転機が訪れた。知那美が北海道銀行に入り、夕梨花はロコの前身の「LS北見」の発足メンバーに加わった。
その結果、4年後のソチ五輪代表決定戦で2人は相まみえることになった。知那美のいる北海道銀行が勝利を収め、大舞台に進んだ。敗れた夕梨花は、悔しさのあまり情緒不安定になった。「親が心配するほど荒れた」と夕梨花は振り返る。
しかし、ソチの後に知那美は…