好調シャトレーゼ育てた87歳会長 戦略は「悲運」から生まれた

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山下裕志
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 横浜市内の住宅街を車で走ると、赤茶のワインカラーの菓子店が目に飛び込んできた。「シャトレーゼ桜台店」。スイーツに限らず、瓶売りのワインや冷凍ピザなど、店内には約400種類もの商品が所狭しと並ぶ。品ぞろえだけでなく、スーパーも顔負けの価格設定も売り物だ。ケーキは主に1切れ300~400円台、アイスは1本60円台からある。

 「お買い得でおいしい」。今月15日、3歳の孫との散歩途中に寄った60代の女性は、昼食用のパンを買った。孫にはアレルギーがあり、乳や小麦を使わない菓子を求めて通っている。車で来た30代の女性は、遊びに来た母親に「糖質カット」の菓子を、子どもたちにはシフォンケーキを買った。「みんなで我慢しないで楽しめる。ママ友の集まりでのおやつなど、普段使いにしています」

 フランス語の「城(シャトー)」と「ブドウ(レザン)」を組み合わせたシャトレーゼは、その名の通り、ブドウの一大産地である山梨県甲府市に本社を置く。スイーツ市場全体の規模は近年、横ばい傾向が続くなか、シャトレーゼはこの10年あまり急拡大を続けてきた。

 フランチャイズを中心に国内に約640店(1月末時点)を構え、その数は回転ずしチェーン大手の「スシロー」に肩を並べる。シンガポールや香港、インドネシアなど、海外でも九つの国・地域に約120店を展開。売上高は、10年前の2011年度は400億円台だったが、21年度は900億円台を見込む。

 「お菓子のユニクロ」。味に一定のこだわりを持ちつつ、抑えた価格を打ち出す自社企画・自社販売の商品戦略は、いつしかそんな風に呼ばれるようになった。

「田舎にある」と言われる理由は…

 卸売りなどの中間業者を挟ま…

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