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第3回「正論吐けば孤立出産や事件に」 内密出産の院長が訴える現実的選択

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聞き手・堀越理菜
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 国内初の「内密出産」に踏み切るまでに、何があったのか。慈恵病院(熊本市)の蓮田健院長(55)は20日の朝日新聞のインタビューで、手探りを続けた日々を振り返った。「ハッピーエンドではない。赤ちゃんもお母さんもこれから、抱えていかないといけないものがある人生を歩んでいく」。無事に生まれた赤ちゃんの健やかな成長を願い、社会に向けては、内密出産の必要性について理解も求めた。

 ――女性から病院にメールで相談があったのは、昨年11月中旬でした。当時の様子を聞かせて下さい。

 すぐに相談員から報告があったが、詳しいことはよく覚えていません。内密出産になるかもしれない相談についての報告は、時々あることです。話を聞いていくうちに本人が匿名性を重視しないことがわかれば、地元の行政につなぎます。

 大事なキーワードは「知られたくない」「自分では育てられない」「行政に相談したくない」。既存の社会システムやセーフティーネットではこぼれ落ちてしまいそうな状況にある時は、迎えに行ってでも、と考えます。

【連載】「この子を守るために 内密出産が問うもの」

熊本市の慈恵病院は2月4日、匿名を希望して出産した女性の赤ちゃんについて、国内初の「内密出産」の手続きに入る考えを明らかにしました。予期せぬ妊娠をし、やむなく孤立したまま出産に至る女性や子の命を守るにはなにが必要なのか、考えます。

 ――内密出産になるかもしれないと思ったのはいつですか。

 ならないだろうという自信はあったんですよ。それまで、内密出産を希望する女性を数人保護してきて、やっぱり赤ちゃんと離れる直前になると離れがたいものがあって気持ちが変わるということを、学習したつもりでした。だから今回も、女性が退院するころまでには、翻意するんじゃないかなと思っていました。

 だけど、女性と毎日やりとり…

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