より生きやすく、その人らしく 発達障害の当事者どうしが学び合う
現場へ! 発達障害の「声」聞く③
本紙朝刊「声」欄の投稿者の男性は、発達障害のある人らの「当事者会」も開いているという。その様子を見るため熊本に向かった。男性の希望で、当事者会で使う愛称・蔵田心優(みゆう)さん(42)として紹介する。
理解へと活動 発達障害の私 (熊本県 27歳)
私はアスペルガー症候群だ。幼少時から周囲に理解されず、否定されるような思いをしてきた。3月から当事者の目線で共に考えようと講演活動を始めた。自分と似た境遇の人や発達障害のある子ども、保護者の力になれればと思う。(2006年7月1日、「声」欄投稿要旨)
熊本市内の施設の一室で開かれた「発達障がい当事者グループ Sierra~シエラ~」定例会。20~40代の男女4人が飲み物を手に思い思いに座った。蔵田さんが進行役。まずはそれぞれが持つ特性も含めた自己紹介だ。
「数字オタクで数多くの市町村の面積や人口を把握している」と「こだわり」を披露する男性。「過敏なところと鈍いところがある」と独特な感覚を紹介する女性。私も促され、「集中すると話しかけられても全く気づかない」と伝えた。過去の取材で発達障害のある人から聞いた特性が自分にもあると感じており、「過集中」はその一つ。うなずく参加者から共感を得られ、少しうれしい。場が温まったところで、この日のテーマ「思い込みで失敗したこと」を語り合い始めた……。
シエラは2017年1月、蔵…