生徒の態度、本当に評価できる? 「内申書」に不信、現場は変わるか

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聞き手・富田洸平 聞き手・小村田義之 聞き手・田中聡子
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 教師が生徒の学習や生活態度を記す「内申書」のあり方を変える動きが出ている。根底にあるのは、人の「態度」を評価し、評価されることをよしとしてきた社会そのものへの違和感だ。

「内申点にビクビク…」パブコメに生徒の本音 平川理恵さん(広島県教育長)

 広島県は2023年度から公立高校の入試制度を大きく変えます。その一つが調査書、いわゆる内申書の簡素化です。生徒会や学校行事、スポーツや文化、ボランティア活動など生徒の3年間の記録を教員が記載する「所見欄」を廃止します。さらに欠席日数の記載もやめ、志望校と氏名、性別、3年間の学習の記録(評定)だけにします。

 横浜市の公立中学校で校長をしていたときから、調査書には疑問がありました。3年次の担任が生徒一人ひとりの3年間すべてを知り、良いところや功績などを書けるのか。「とても無理だ」というのが私の実感でした。記録が抜けることもあるし、生徒の内面や家庭環境、課外活動などを詳しく書けず上辺をなぞるような表現になってしまう。本当に生徒のことを表していると言えるのか、と。

「内申書」が社会に、現場にもたらしたもの

生徒の態度を評価する「内申書」。記事の後半では、ハーバード大准教授や開成中高校長などを務めた柳沢幸雄さんが、「空気が読める若者を増やしてきた」弊害を指摘。また、千葉県で公立小教諭を務めた塩崎義明さんが、学校現場が「態度」にこだわる背景を解説しています。

 さらに世間では「先生に気に…

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    おおたとしまさ
    (教育ジャーナリスト)
    2022年3月4日7時59分 投稿

    【視点】「きちんとしていない『ダメなクラス』でいいから、心を開いた関係になろうと心がけてきました」という部分に共感しました。ダメなところも含めて愛おしいと思う。いやむしろ、不完全だからこそ愛おしいと思ってしまう。これが人間関係の基本でしょう。そのこ