役所言葉をやさしい日本語に 糸島市が職員向け手引き作成

鳥居達也
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 日本語が得意ではない外国人にもわかる言葉でコミュニケーションを、と福岡県糸島市が職員向けに「『やさしい日本語』の手引き」を作った。文書編と会話編に分けて、硬い「お役所言葉」をわかりやすい日常語に置き換えるノウハウを指南し、言い換え・書き換えの用語集も付けた。

 市在住の外国人は九州大伊都キャンパスが開校した2005年ごろから増え始め、現在は市人口の1%を超える約1300人が暮らす。国籍は中国、ベトナムなど60カ国以上に及ぶ。

 市の19年の調査では、うち9割近くの人が日本語を「書く・話す・読む」ことが「できる」または「少しはできる」と回答。このため市は「やさしい日本語は外国人市民への有効な情報発信とコミュニケーションの手段」として手引きをつくることにした。

 「文章を短くする」方法では、「できるだけシンプルに、一文は短く、必要な情報を一つだけ言う」としてこんな例文をあげる。

 (変更前)婚姻届は、市役所の窓口が開いていない閉庁日や夜間であっても、管理人室に届出(とどけで)することができます。

 (変更後)婚姻届は、いつでも出すことができます。市役所が休みの日や夜は、市役所の管理人室に出してください。

 また、「分かりやすい文書に校正する」では、「主語を明確にする」ことが必要として例文を掲げる。

 (変更前)年に1度、現況届の提出が必要となります。

 (変更後)あなたは1年に1回、現況届を役所に出さなければなりません。

 市は「『やさしい』には『易しい』と『優しい』の二つの意味がある。『やさしい日本語』はすべての人に分かりやすく伝えるための有効なツール」として手引きを活用する考えだ。(鳥居達也)

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