第25回SWIFT排除は兵糧攻め 対ロシアの経済制裁で注目、専門家が解説

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 ウクライナに軍事侵攻したロシアに対し国際社会が経済制裁を進めている。選択肢の一つに挙がっているのが、ロシアの金融機関をSWIFT(国際銀行間通信協会)から排除する方法だ。ロシアの金融機関は国際送金しにくくなり大きな効果があるとされ、実施すべきだとの声もあった。ただ、制裁する側にも影響は避けられず、米バイデン政権が24日に発表した制裁内容には含まれなかった。日銀出身で「SWIFTのすべて」などの著書がある中島真志・麗沢大教授に課題などを聞いた。

――SWIFTとは何ですか?

 金融機関に特化した情報通信サービスをする組織です。各国には、例えば日本の中央銀行が運営する「日銀ネット」のように、国内の銀行間決済をする基幹システムがあります。一方で、国境を越えた決済のための「世界中央銀行」はありません。そこで、銀行間のメッセージ通信を効率的に実行するため世界中の銀行が出資して設立した協同組合がSWIFTです。発足は1973年で、ベルギーに本部があります。

――どのようなシステムを運用しているのでしょうか。

 SWIFTには決済そのものの機能はありません。国際的な銀行はお互いに口座を持ち、決済を代行し合う「コルレス契約」を結んでいます。SWIFTの役割は、「A銀行にあるB社の口座に100万ドル入金して」といったメッセージを銀行間で送受信することです。200カ国以上、計1万1千以上の銀行がSWIFTに接続しています。金融機関のネットワークとしては事実上、独占的なサービス提供者になっています。

――過去にも経済制裁で役割を果たしました。

 安全保障の面でSWIFTが注目されたきっかけは2001年の米同時多発テロでした。イスラム過激派につながる容疑者を特定するために、米中央情報局(CIA)が送金記録を活用した。12年にはイランの核開発疑惑に対する制裁で、欧州連合(EU)がSWIFTにイランを排除するよう命じました。石油輸出による収入を受け取れなくなったことが、イランの政権に「兵糧攻め」のように効き、15年の「イラン核合意」につながったと受け止められています。

――14年にロシアがウクライ…

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