兄・ヒロトの中退宣言におやじは……甲本雅裕さんが語る「役者前」

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聞き手・安井健悟
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 連続テレビ小説「カムカムエヴリバディ」の岡山編で、上白石萌音さん演じる主人公の父親・橘金太役だった俳優の甲本雅裕さん(56)。金太は大空襲で妻と母を亡くし、家業の和菓子屋も失います。焼け野原となった自宅跡で嗚咽(おえつ)する姿は、数日間、記者の頭から離れませんでした。甲本さんに、自身の「おやじ」や兄でミュージシャンの甲本ヒロトさんら、家族とのエピソードを語ってもらいました。

早起きすると妖怪が?

 おやじはクリーニング屋でした。

 仕事場から戸を一つ挟んだら、自宅の居間だった。ご飯を食べるときもテレビを見るときも、お客さんと話をしたりアイロンをかけたりする背中をずっと見ていましたね。

 子どものころは、気がつけば兄貴(甲本ヒロトさん)の後ろにくっついていた気がします。兄貴の学校の友達と遊びに行ったり、その友達の家でご飯を食べたりしていたな。

 「子どもの朝寝坊が過ぎる」とおふくろが嘆いていると、おやじが兄貴と僕に言った。

 「早起きをすると、家の前を妖怪が通る」。僕らは「え?」って。

 その言葉に釣られて朝早くに起き、兄貴と2人で店のカウンターからずっと外を見ていました。

 兄貴は大学に在学中、突然実家に帰ってきて言いました。

 「俺は(大学を)辞める。今日から歌手になる」

 おやじは「大学は出たらどう…

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