「新商品作ってくださーい」→試作 島のソウルドリンクがジャムに
コロナ禍による外食需要の低迷などで、牛乳の売り上げが落ち込む中、「淡路島牛乳」(兵庫県南あわじ市)が開発した「淡路島コーヒージャム」の売れ行きが好調だ。昨年7月の発売から想定の5倍以上を販売し、製造が追いつかない時期もあるという。島内だけでなく、島外のスーパーへも次第に販路が広がっている。
同社の工場には、島内約100軒の酪農家が生産した生乳が運び込まれ、牛乳やヨーグルト、プリンなどを製造している。「淡路島コーヒー」は、南米、インドネシアのコーヒーと、牛乳などが原料で1980年から販売。「淡路島のソウルドリンク」として40年以上にわたり、子どもから大人まで親しまれ、年間約700トンを全国へ出荷している。
2020年には製造40周年を記念し、乳製品の詰め合わせが当たるプレゼントキャンペーンを実施した。すると、淡路市の女性からの応募はがきが、販売部の柏木順二さん(49)の目に留まった。「新商品作ってくださーい」という言葉と、淡路島コーヒージャムのイラストが描かれていた。柏木さんは「これまで発想がなかった面白いアイデア。新商品にしたいと思った」。
取引先の食品加工会社に話を持ちかけ、試作を開始。牛乳とコーヒーの配合、甘さなどを調整し、約3カ月間にわたり、30種類ほどのジャムのサンプルをつくった。従業員約40人に試食してもらい、意見を聞いた。原材料の8割以上を牛乳にして、砂糖、水あめ、コーヒーのエキスと粉末を加え、約40分間にわたり煮詰めた。淡路島コーヒーの味に近く、濃厚な味のジャムができたという。
昨年7月から、主に島内の観…