東京機械製作所の株式、投資会社が譲渡へ 読売や朝日など新聞6社に

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 投資会社「アジア開発キャピタル」は25日、輪転機最大手の東京機械製作所の株式の大半を、読売新聞東京本社や朝日新聞社など6社に譲渡すると発表した。アジア社は議決権の約4割の株式を保有していたが、比率は約8%に下がることになる。

 アジア社は「東京機械製作所の経営陣との間で生じた対立関係を解決できることなどを考慮した」としている。ほかの譲渡先は中日新聞社、北國新聞社、信濃毎日新聞北海道新聞社。東京機械製作所も譲渡に賛同しており、「国内の新聞業界を支える自覚を持って努力する」とした。

 譲渡価格は1株あたり800円で、3月2日に市場外で相対取引する予定だ。取引後は読売新聞東京本社が25%を取得して筆頭株主となる。中日新聞社が2・5%、朝日新聞社は2%を取得する。

 アジア社は、子会社を通じて東京機械製作所の株式を昨年6月から買い集めた。アジア社は譲渡による特別損失として約16億円を2022年3月期に計上するという。

 アジア社側の買い集めに対し、東京機械製作所の経営陣は、買収防衛策を導入した。既存の株主に新株予約権を無償で与え、アジア社側の保有割合を下げるものだ。昨年10月に開かれた臨時株主総会では、アジア社などの議決権を制限したうえで、防衛策の発動を承認した。最高裁は昨年11月に防衛策を認める判断を示した。

 東京機械製作所の経営陣は、今年2月末までに株式の保有割合を32・72%以下にすることなどに応じれば、防衛策の発動を留保するとしていた。アジア社側は応じる意向を示し、防衛策の発動は中止された。

 朝日新聞社広報部は「かねて東京機械製作所の株主である当社は、ニュースの伝達を支える新聞印刷の機能を安定的に維持していくことの重要性に鑑み、株式を追加取得することにしました」とのコメントを出した。

 読売新聞東京本社は「東京機械製作所の安定は国内新聞各社の経営の安定に直結します。東京機械製作所の企業価値向上に向け、全力で支援します」とのコメントを出した。

東京機械製作所をめぐる主な動き

(2021年)

7月21日 アジア開発キャピタルとその子会社のアジアインベストメントファンドが株式の32.72%を取得

8月6日 取締役会で買収防衛策の導入を決議

  30日 買収防衛策の実施を臨時株主総会に提案すると発表。アジア社側の議決権を制限する方針も示す

9月17日 アジア社側が買収防衛策の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立て

10月22日 臨時株主総会でアジア社側の議決権を制限し、防衛策を決議

  29日 東京地裁が仮処分の申し立てを却下

11月1日 アジア社側が東京高裁即時抗告

  9日 東京高裁が即時抗告を棄却。アジア社側が最高裁の判断を求めて許可抗告などを申し立て

  17日 アジア社側が株式の保有割合を下げる旨の誓約書を東京機械製作所に提出。19日の防衛策発動はいったん留保

  18日 最高裁が許可抗告などを棄却

  25日 東京機械製作所が買収防衛策の発動を中止すると発表

(2022年)

1月14日 東京機械製作所が経営再建に向けた中期経営計画を発表

2月25日 アジア社側が新聞社6社への株式売却を表明