黄色と黒の真新しい「虎」が勇壮に舞う。「参加した全員の感情があふれた舞でした」。鵜住居虎舞(うのすまいとらまい)の保存継承活動を続ける鵜住居青年会(岩手県釜石市)の小原正人会長(34)は、2011年10月の舞台を思い出す。
【連載】色 想う
2011年3月11日、真っ黒な津波が押し寄せ、街は灰色と化しました。目に映る色は同じでも、心に焼き付く色はそれぞれ違います。11年の想(おも)いを「色」に込めて伝えます。
全国各地の伝統芸能を紹介する茨城県日立市の秋祭り。東日本大震災でほぼ全て失った道具を新調して挑んだ。「自分たちの虎舞が復活した。やれてよかったな」。最後の演目は、参加した約20人が涙を流しながら演じきったという。
鵜住居地区は震災で壊滅的な…