ウクライナ侵攻を受け、米欧による対ロシア制裁の行方が焦点になっている。注目されているのが、ロシアの金融機関を国際銀行間通信協会(SWIFT=スイフト)から排除する案だ。西側諸国の間でも慎重論が根強いが、「切り札」として、どれほどの威力を持つのか。現在も排除されているイランから報告する。
スイフトは各国の銀行が、米ドル建てを含む国際送金で利用する仕組みを運営する。公式ページによると、1973年にベルギーで設立され、200以上の国・地域の銀行や証券会社など約1万1千社が利用している。
決済情報を監視せず、「中立」をうたう一方で、国や国際機関が制裁を決めると、それに従って対象の金融機関を「排除」するという。
スイフトから排除されると、商品を輸出しても外国から代金を受け取ることが極めて困難になり、経済活動に大きな支障が生じる。
その前例がある。私が特派員として暮らすイランだ。
2012年3月、欧州連合(…
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- 【視点】
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