第6回ウクライナ脱出、大渋滞の国境 極寒の道を歩き「せめてこの子は」
【動画】戦火を逃れるため、ウクライナとポーランドの国境付近では渋滞が発生した=遠藤啓生撮影
青空の下に、どれほど続くのかわからない車列と、やつれきった表情を浮かべる人たちがいた。ロシア軍の猛攻にさらされるウクライナ。西隣のポーランドとの国境地帯は、戦火を逃れる市民であふれかえっていた。人々の心は張り詰め、緊迫した雰囲気が覆う。
「なんでこんなに小さな子どもまで歩かせるんだ!」
ロシア軍が侵攻を始めてから3日目の26日朝、ポーランド国境に近い幹線道路で、5歳の孫を連れたバシルさん(68)が交通整理にあたる男性に詰め寄った。
国境の街シェヒニまでの道は約25キロ。だが渋滞で車は一向に動かず、霜が降りる寒さのなかで歩くしかない。周囲では、国境に向かう多くの人たちが、重い荷物を抱えながらゆっくりと歩を進めていた。
生後4カ月の妹が乗るベビーカーを押す8歳女児「早くお父さんに会いたい」
娘と孫だけをポーランドに避…
【視点】いまウクライナでは、この瞬間も悲痛な思いで国外へ逃れようとする人たちがいることに胸が痛みます。祖国を守るべく不本意ながら軍隊に志願した人たちの心中は、察するに余りあります。戦争は、市井の人たちを悲しみのどん底に叩き落とす。この現実に、悲しみ