第30回ウクライナ侵攻は1年越しの綿密計画 ロシア軍事作戦は狙い通りか

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ロンドン=国末憲人
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 ロシアのウクライナ侵攻直前の2月15日、英王立防衛安全保障研究所(RUSI)が特別報告「ウクライナ破壊の陰謀」を発表しました。侵攻は1年以上前から綿密に計画され、征服まで視野に入れた何段階もの戦略が用意されている、というのです。ロシアは実際、ここまでおおむね、この筋書きに沿って作戦を進めているように見えます。担当したジャック・ワトリング主任研究員に聴きました。(ロンドン=国末憲人

Jack Watling

英王立防衛安全保障研究所(RUSI)陸戦担当主任研究員。英政策史の研究で博士号を取得。ジャーナリストとしてイラクやルワンダなどで活動した。現在の専門分野は対ロ抑止など。28歳。特別報告は分析研究員ニック・レイノルズ氏との共著で、ウクライナ情報部員らへの聞き取りなどに基づく。RUSIは1831年創立で、安保分野のシンクタンクとして世界で最も古い歴史を誇る。

 ――ロシアはウクライナに全面侵攻し、軍事施設ミサイル攻撃したうえで、首都キエフの攻略を試みています。これまでの経緯をどうみますか。

 「ロシアはここ数カ月間、ウクライナに圧力をかけ続けてきましたが、譲歩を引き出すことはできませんでした。ロシアはまた、ウクライナの首都キエフなどで反政府運動を仕掛けましたが、ウクライナ政府は挑発に乗らず、適切な対応で切り抜けました。だからロシアは侵攻に踏み切ったのです。キエフと、ドニエプル川以東の主要都市を占拠し、そこに占領軍政権を樹立する計画です」

 「ロシアは、世論調査社会調査をウクライナ国内で実施し、得られたデータをもとに、この計画を立案しました。でも、世論は急速に変化する。ロシアが思い描いたようには、物事は進まないかも知れません」

 ――特別報告「ウクライナ破壊の陰謀」で衝撃的だったのは、プーチン政権が1年以上にわたって侵攻計画を練り続けていたという分析です。その中心にいたのが、ドミトリー・コザク大統領府副長官(元副首相)だということですが。

 「プーチン政権内でウクライ…

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