無申告ギグワーカー見逃さない 国税、電商チームを強化

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中野浩至
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 インターネットを使って単発で仕事を受ける「ギグワーカー」。自分の好きなタイミングで収入を得られる一方、それを税務申告しない人が相次いでいる。3月15日までの確定申告を踏まえ、悪質な場合は調査に踏み切る税務署もあるとみられる。

 「電商」

 各地の国税局には、こう呼ばれる部署がある。東京国税局の場合、課税1部の「電子商取引専門調査チーム」のことを指す。ネット取引の増加に対応するため、20年以上前に設置された。近年はギグワーカーや商品を高額転売する「転売ヤー」、暗号資産(仮想通貨)売買で巨額の富を得た「億(おく)り人」らに対応できるよう、態勢が強化された。

 国税庁によると、1件あたりの申告漏れ額は2019年度(19年7月~20年6月)から20年度にかけて、約1・5倍に増加した。

 「当然、今年の申告は見ますよ」。国税関係者はそう明かす。念頭にあるのは、お金を支払って呼んだ女性たちと飲食する「ギャラ飲み」と呼ばれるサービスをめぐり、ネットを介して店に派遣される女性らだ。多い場合は月に1千万円以上を得ることも。ただ、こうした中で申告していない人もいるという。

 関係者によると、無申告のケースはサービス運営会社に対する税務調査で得た資料を「電商」が分析して把握した模様だ。こうした情報は女性らの居住地を管轄する税務署と共有されている。

 国税はこうしたギグワーカーらと利用客をつなぐ役割を果たすプラットフォーム(PF)事業者へのアプローチを重視。「ギャラ飲み」にとどまらず、ギグワーカーの代表格と言える飲食宅配サービス「ウーバーイーツジャパン」の配達員をめぐっても、国税がPFであるウーバー側に報酬などの情報提供を求めたことが明らかになっている。

 こうしたギグワーカーらは、働き方の多様化や新型コロナウイルスの感染拡大などを背景に増加。その一方で、その所得は把握しづらいとされる事情がある。

 通常会社と雇用関係にある会…

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