第31回ウクライナ危機、国連にできること 安保理のルールに立ち返ると

有料記事ウクライナ情勢

聞き手・ニューヨーク=藤原学思
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 国連安全保障理事会は25日、ウクライナ情勢についての決議案について採決をしましたが、ロシアの拒否権によって廃案になりました。国連は、ウクライナ危機に対してなにができるのか。ニューヨーク市立大ラルフ・バンチ国際問題研究所のトーマス・ウィース名誉所長に聞きました。

 ――ロシアを非難する決議案は、ロシアが反対、中国、インド、アラブ首長国連邦(UAE)が棄権でした。結果をどう見ましたか。

 ロシアが拒否権を発動することはわかっていたとはいえ、もっと強い印象を与えるものにできたはずです。

 米国や英国、フランスとしては、ロシアが反対、中国が棄権、残る13カ国は賛成という結果を望んでいたと思います。ただ、賛成は11カ国にとどまりました。

 インドは以前とは違い、現在は米国から多くの防衛装備品を購入しています。日米豪印戦略対話(クアッド)もあり、米国が説き伏せるだろうと思っていましたが、うまくいかなかったようです。

Thomas G.Weiss

国連を専門とする国際関係学者。「The United Nations and Changing World Politics」(国連と変化する世界政治)など国連に関する著書多数。ニューヨーク市立大大学院センター最高位の教授であり、同大ラルフ・バンチ国際問題研究所の名誉所長も務める。

 しかしながら、中国の棄権はインドの棄権よりも印象的です。中国とロシアは(NATOの拡大反対などで共同声明を出した)2月4日以降、「ベストフレンド」でしたからね。

 1990年、イラクがクウェ…

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    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2022年2月28日18時25分 投稿
    【視点】

    「国連には多くの偽善がある」。こう断言するウィース教授は潔い。しかし重要なことは、偽善を内包しているからといって国連が無力である、無意味であるということにはならないことだ。 確かに今回のロシアの行動は、大国がそのように決めたならば、武

連載ウクライナ危機の深層(全180回)

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