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重度障害者、親元か施設で暮らすしかない? 浸透していない制度

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湯川うらら
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 【香川】重度の身体、精神、知的障害がある人が日常生活の介護を1日24時間受けることも可能な、国の障害福祉サービス「重度訪問介護」(重訪)。原則自己負担がなく、親元や施設から自立して、地域で生活する人たちも増えつつある。

 制度に関する情報提供やサービスの支給決定をする市町村との「交渉」を支援している「全国障害者介護保障協議会」(東京都)事務局の大野直之さん(51)に、制度利用の実態や問題点を聞いた。

 ――重度訪問介護はどのようなものですか

 基本的には、複数人の重訪のヘルパーが1日2~3交代で利用者のそばで待機し、食事や入浴、排泄(はいせつ)介助、家事援助、たん吸引などを行います。訪問看護リハビリなどの別のサービスを使いながらの利用が認められることもある。外出時の介助も受けられ、家族が付き添わなくても出かけられる。何十年も施設や親元で生活していた人の一人暮らしも実現しています。

 ――利用実態を教えてください

 公的制度での1日24時間の介護は、1993年に東京都東久留米市で国内で初めて実現しました。国のホームヘルパー制度、生活保護の介護制度、都の制度を組み合わせたものでした。その後、2003年に障害福祉の支援費制度という重訪の前身の日常生活支援が始まりました。個々の必要時間に応じた、最長毎日24時間の支給決定が北海道から九州まで多くの都道府県に広がっていきました。重訪は、2006年施行の障害者自立支援法に基づき始まりました。17年に金沢市で1日24時間の利用が認められたことで、都道府県単位の24時間介護の事例の空白地はなくなった。

 現在は、全国の利用者約1万人のうち、数百人が24時間の連続介護を受けて地域で暮らしている。都市部が多いが、離島や山間部、過疎地での例もある。一方で、全国約1700の市区町村のうち、いまだに9割近くが1日24時間の介護実績がありません。

「自薦ヘルパー」方式で解決できるが

 ――国の制度に基づいているのに、なぜ24時間介護が広がっていないのですか

 24時間対応できる介護事業…

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