東京の本屋がYoutubeチャンネル開設 独自制作ドラマも配信

井上恵一朗
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 街なかに本屋がある大切さを伝えようと、東京都書店商業組合(矢幡秀治理事長)が、YouTube(ユーチューブ)チャンネルを開設した。動画でさまざまな本屋を紹介するだけでなく、読書好きの著名人らも登場し、本屋の魅力を発信している。

 チャンネル名は「東京の本屋さん~街に本屋があるということ~」(https://www.youtube.com/c/tokyo-shoten別ウインドウで開きます)。

 昨秋の開設以来、渋谷のスクランブル交差点前にある「大盛堂書店」や、表参道の「山陽堂書店」など老舗から、「紀伊国屋書店新宿本店」などの大型店まで72店を動画で取り上げる予定で公開を進めている。

 その一つ、銀座の「教文館」は米国の宣教師が創業し、1891(明治24)年に銀座に移転してきた。現在の建物は関東大震災後の1933年に建ち、銀座でも有数の歴史を誇ることなどを紹介。キリスト教関連の書籍だけでなく、「ナルニア国」と名付けた子どもの本の売り場に力を入れる思いなどを伝えている。

 子どもへの読み聞かせに力を入れる「府中書房」、地元・国立の関連書を充実させる「増田書店」など多摩地域の店も登場する。

 戦前から続く同組合の加盟数は、今年1月現在で287店。1984年の最盛期は1426店あり、約8割も減少した。書店の大型化やネット販売の浸透で街の本屋は姿を消してきた。

 今や「アナログの象徴」と見られることもある街の本屋の魅力をデジタルの世界で発信しようと、中小企業の新たな取り組みを支援する都の補助事業を活用。5千万円をかけてコンテンツ制作に取り組んだ。

 著名人へのインタビューでは、直木賞作家の今村翔吾さんやお笑い芸人の太田光さん、モデルのトラウデン直美さんらが、読書の楽しさや紙の本の良さなどを語っている。2月からは、独自制作の連続ドラマ「本を贈る」の配信を始めた。

 同組合事務局の柴崎王陽さんは「街の中に実際にお店がある価値を、デジタルメディアで伝えて再認識してもらえたら」と話す。井上恵一朗