勝利至上主義を考える
全部員が試合に出場し、指導者は指示禁止。順位はつけない――。
こんなルールを設けた高校ラグビーのリーグ戦がある。立ち上げたのは、早稲田大学ラグビー部出身で、神奈川・平塚工科高で監督を務めた松山吾朗さん(45)。「行き過ぎた勝利至上主義の散見」を理由に廃止が決まった小学生の柔道の全国大会について、どう考えるのか。
「自然で、いいことだと思う。ラグビーの小学生の全国大会でも、指導者の中には過熱して、こうすれば勝てるということを教え込み、それをできないと罵倒する人がいる。勝つ確率を上げるためだとして、部員が1学年30人いても、そのうちの半数以上は試合に出られない」
剣道とラグビーに励んだ小学生時代。5年生の時にラグビーチームの指導者が代わり、楽しむラグビーから厳しいラグビーになった。
「こんな雰囲気なら……」とラグビーをやめ、おおらかな雰囲気の道場で剣道に専念した。
高校でラグビー部に入り直し、早大へ。「常に日本一を目指さないといけないチーム」だった。
ただ、ともすれば体罰や言葉の暴力に走りがちな「勝利至上主義」とは、違った指導風景がそこにはあったという。
「部のほとんどのことを決め…
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