新潟拠点のLCCトキエア 今秋就航に向け加速中

高橋俊成
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 新潟を拠点にした新たな航空会社「トキエア」が今秋就航する。格安航空会社(LCC)として、約半年後に迫った就航に向け準備を加速させている。

 「飛行機を飛ばしても、お客様がいなければ意味がない。需要開拓や地域活性化にも寄与しつつ、新潟のみなさんに応援してもらえる会社にしたい」。同社の長谷川政樹社長はこう意気込む。

 今秋就航するのは、新潟空港を拠点に丘珠(札幌市)、仙台、中京圏関西圏の4路線。中京・関西両圏は空港絞り込みの最終段階に入ったという。就航に向けプロペラ機2機を導入し、8月ごろに到着する見通しとなった。

 資金調達も順調で、福田組など県内の有力企業からの出資が決まった。自衛隊OBなどのパイロット20人、客室乗務員15人ほどの採用に向けた活動も進んでいる。2013年を最後に定期便がない佐渡空港でも、23年以降の就航を予定する。今年2月に決まった佐渡金山の世界遺産推薦が追い風になるとの期待が高まっている。

 だが、滑走路の短い佐渡空港向けに導入予定だった仏ATR社製の新型機の開発が遅れ、修正も必要となった。同社は従来機の座席数を十数席減らすことで機体を軽くし、同空港での離着陸に対応させる方針だ。長谷川社長によると、座席が減ったことを生かし、広い空間を確保した上級クラスを設けることも検討しているという。地元農協などと連携し、佐渡産の農作物や医薬品などを貨物輸送する計画もある。

 今後の課題について長谷川社長は人材育成を挙げる。3月に2人のスタッフが整備士試験に合格。今後は、運航指針を定める数十冊規模のマニュアル策定などを進めるという。

 「新型コロナの状況が落ち着けば往来は増える。安いから旅行に行ってみようというチャンスを作りたい」と語った。

県、佐渡空港改修支援へ

 県は佐渡空港の改修などで佐渡空路「復活」を後押しする。22年度予算で改修費など約5億4千万円を計上。駐機場から滑走路につながる誘導路の拡幅や、ターミナルビルのカウンターや保安検査場などの再整備を検討している。

 佐渡空港は県が管理する空港で、1959年に新潟―佐渡線が初就航。70年代の最盛期には年間3万人の利用があったが、2014年以降は定期便は休止している。

 佐渡空港の路線拡大を模索する動きは過去にもあったが、採算の見通しが立たなかったことなどから実現しなかった。滑走路延伸も議論されたが、地権者からの同意が得られず、事業費もかさむため「ハードルは高い」(県空港課)という。

 離島空路がある鹿児島県は空路維持のため、運航で年1億円前後、機体購入費で年約5億円を補助する。長崎県はこうした補助に加え、数年ごとに実施する機体の大規模な点検費用も補助している。

 新潟県も佐渡路線があったころは航空会社の運航経費を補助していた。県空港課の担当者は「トキエアにも運航経費の補助をすることになるだろう」との見通しを示す。(高橋俊成)

トキエアの就航予定

2022年秋

・新潟―丘珠、仙台、中京圏、関西圏

23年以降

・佐渡―新潟、首都圏