高齢者「家族に購入頼まれた」 コンビニ店員、スマホ見てピンと来た

仁村秀一、山田暢史
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 コンビニエンスストアで売られている電子マネーのプリペイドカードが、特殊詐欺で悪用されるケースがさいたま市内でも相次いでいる。店員の機転で被害を防いだ例は多いが、氷山の一角。注意が必要だ。

 昨年末の日曜日。プリペイドカードを手にした70代の男性客がコンビニ店員の橋本智美さん(20)に声をかけた。「これ、どこに番号が書いてあるの?」。

 男性は「家族からカードを買って番号を教えるように頼まれた」という。詮索(せんさく)されたくなかったのか、すぐに帰ろうとした。橋本さんは詐欺を疑い、「スマホを見せてください」と頼んだ。男性が差し出したLINEのトーク画面を見て、橋本さんは相手が家族ではないと気づき、110番通報した。

 相手のアカウントには、グレー(未認証)の公式マークがついていた。男性は「500万円の支援金を受け取るために1万円の支払いが必要」とのLINEメッセージを受け取っていた。橋本さんは「そんなアカウントで家族とLINEするのは変だと思った」と話す。    

携帯に何度も非通知の着信 おかしい…

 2月初旬。携帯電話で話しながら入店した70代の男性客が、プリペイドカードを買おうとした。

 不審に思った店員の池田侑生さん(27)が購入理由をたずねると「パソコンにウイルスが検知された。直してもらう」という。池田さんは男性から電話を借りた。通話相手の様子がおかしかったことから「詐欺だ」と直感して通報した。

 2月下旬。80代の男性客が5万円分のプリペイドカードを探しに来た。商品の場所を尋ねられた店員の高橋実咲さん(18)が対応していると、男性の携帯に非通知の電話が何度もかかってくることに気がついた。高橋さんは詐欺を疑い、店の責任者に通報を頼んだ。     

PCサポートに3万5千円 おかしい…

 3月初旬。70代の男性客が店員の小川美智子さん(43)に声をかけてきた。「グーグルプレイカードを買いたいが、どれだろう」

 ネット通販の支払いなどで数万円の電子マネーを購入する高齢の客はいるが、小川さんは「最近、詐欺も多いので念のため」と購入理由を聞いた。

 男性は「パソコンが動かなくなった。(画面に表示された)グーグルの番号に電話したら、サポートに3万5千円必要だと言われた」という。

 小川さんは詐欺だと確信したが、男性は納得しない。「海外の会社だから、電話の人も外国人のようだった」と電話相手の話を信じ込んでいるようだった。小川さんから相談を受けた店長が通報した。

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 大宮、大宮西両署は3月までに4人の店員に感謝状を贈った。県警によると、こうした架空料金を請求する詐欺の手口は多様化しており、昨年は県内で66件(暫定値)の被害が確認された。(仁村秀一、山田暢史)