醸造会社の7代目が開発 世界発信狙う粉末調味料で優秀賞

大畠正吾
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 中小企業の後継者が新しいアイデアや商品を競う2021年度の「アトツギ甲子園」で、「早川しょうゆみそ」(宮崎県都城市)の専務、早川薫さん(32)が優秀賞を獲得した。日本の伝統食「みそ」を粉末にした調味料で海外の市場にも進出する実績などが評価された。

 アトツギ甲子園は中小企業庁の主催で、20年度から始まった。先代経営者が培ってきた人材やノウハウをいかしながら、新規事業などに踏み出そうとしている後継者候補を応援する大会だ。第1回大会では椎葉村でチョウザメを育ててキャビアをつくっている鈴木宏明さん(34)が最優秀賞に選ばれている。

 21年度は全国から138人が応募。3月にファイナリスト15人がアイデアなどを発表し、早川さんが最優秀賞に次ぐ優秀賞(2人)に輝いた。

 早川さんは1885(明治18)年に創業した醸造会社の7代目。2013年にUターンし、商品開発や販路拡大に取り組んできた。イベントで披露したのは、5年かけて開発した粉末みそ「umami・so(うまみそ)」。フリーズドライにない香りとうまみが凝縮しており、焼き鳥やおにぎりなどのほか、クリームパスタなどの洋食との相性もいいという。すでにフランスなどに輸出され、レストランなどで使われている。

 早川さんは3月22日、受賞報告で県庁を訪れ、河野俊嗣知事に「宮崎という限られたマーケットではなく、世界にみそを認めてもらうためには新しい形が必要だった」と商品開発に乗り出した理由を説明した。ただ、社員全員が早川さんの路線に賛成だったわけではなかったといい、「伝統の重みと後継者の難しさを考えさせられた」という。

 早川さんは「みそは産地によって特徴がある。今度はそれをいかした粉末調味料をつくり、世界に発信していけたら」と新たな夢を語った。

 受賞報告には鈴木さんと、20年度のファイナリストに選ばれた延岡市の寝具店の後継ぎ、松田陽子さん(35)も同席。2人は河野知事に「宮崎が後継ぎの活躍できる場所になるよう支援してほしい」と要望した。(大畠正吾)