火力発電所の廃止に国が「待った」 電力不足を回避へ法改正
長崎潤一郎
政府は、発電所の休廃止を事前に国に届け出るよう電力会社に義務づける。1日、電気事業法を含むエネルギー関連法の改正案を閣議決定した。今国会での成立をめざす。電力自由化で経営に余裕がなくなった大手電力は、古い火力発電所を相次いで休廃止している。電力不足が見込まれる場合に「待った」をかけ、運転を続けてもらうように支援策をとる。
今の制度では、発電所の休廃止は届け出制のため、国が事前に把握することが難しい。法改正で数カ月前の届け出を求め、国の「電力広域的運営推進機関」が安定供給に影響がないかチェックする。
電力不足の懸念があれば、自前の発電所を持たない新電力などに休廃止を予定する発電所の情報を提供する「マッチング」をし、電気の買い手を探す。買い手が見つからなければ、大手電力の送配電会社が公募手続きをとる。発電所の稼働にかかる費用の一部は送電線の使用料(託送料金)で回収できるしくみで、電気代として広く利用者が負担することになる。
2016年の電力小売りの全…